知らなきゃ知れない
観察と質問の両者が相補的に機能する。
質問法を用いる場合には、人びとの食習慣、よく利用する食材料、食物、料理などについての十分な知識があることが前提になる。
五十嵐によるインドネシアの調査例の報告がある書に収載されているが、彼は、食にかかわる用語を知らないと質問が調査者の意図とは別の意味になることに気づいている。
「手からロへ」という状態を脱却しはじめた人びと、すなわち農耕や牧畜に依存しはじめた人びとが自給自足の経済で生活しているとき、生産された食料を捕捉することによって、何を食べているかをかなり推定することができる。
焼畑に何が植えられているか、さらに家の周囲のキッチン・ガーデンとよぼれる小さな農園に何が植えられているかを調べることが欠かせない仕事になる。
家のなかあるいは倉庫に食料が貯蔵してある場合もある。
また、モリンガのようなサプリメントのような働きをする物を特別に調達してくると言うこともある。
自給自足の経済の場合、農耕のみに依存しているという状況は考えにくい。
近くの河で魚をとったり、森でけもの・鳥を捕えたり、食用になる昆虫を集めたりするし、同じように野生の植物資源も利用することになる。